ひどく優しい色に見えたんです。 優しい色 バルコニーにいる、と書き置きされた髪を見て、彼はその場所へ行った。 まだ暑さが残っていると言っても暦の上ではもう秋だ。 風が身にしみると思い、ウールで編まれた薄いケープを持ってきた。 そこには書き置きの通り、彼が探していた人がいた。声をかけるのも悪いと思い、バルコニーに入 る直前で足を止めた。 「……」 ずっと向こうに見える夕焼けや、夕焼けの色を帯びて彼女の瞳と同じ色になった雲を見つめていた 彼女も、彼の存在に気付き振り向くと、声をかけた。 「どうしたの?ヒイロ」 彼女の声にも気付いていないようだった彼は、数秒たってからようやく目線を彼女の目に移した。 「…いや、なんでも、ない」 「あら?そうなの?」 それだけ言うと彼女はまた外へと体を向ける。 「…綺麗ね」 「…ああ」 夕焼け空は温かくどこか切なく、淡い色で世界を包み込んでいく。 それはひどく、優しい色で。 けれど彼には何より、その色がかかった彼女の蜜色の髪が、何より優しく見えていた。 そして彼は、それを慈しむように見続けていた。 もうじき日が暮れる。 やはり夏の終わりの風も秋風に変わりつつあり、少し肌寒い。 彼女にケープをかけてやると、声をかける。 「風邪をひく、戻るぞ」 「…ええ、そうね」 拍手ログを直してみたらかなり変わったり。 でも短い。