暗い暗い青みがかかった空には、様々な色や輝きの星が思う存分に輝いていた。 そのなかで、一瞬だけ星が輝き流れ、消えた。 のせられない願いと 「……っ!!」 何をしているのだろうか、そう思い、バルコニーからその様子を見ていた少年は、伸 ばしかけた手を戻した。そしてまるでそれが汚点だというように、苦虫をかみつぶした ような表情のまま、舌打ちをした。 少年の父親は、名の知れた政治家だ。 けれど彼は、その世界の汚い内部を見てきたあまり、その父の役職どころか、父親自 体を毛嫌いしていた。 もう四ヶ月も、彼は父親と言葉を交わしていない。 むしろ、交わす気がなかったという方が正しい。 彼の母親は、昔から病弱ではあったが芯の通った人で、彼はそんな母親を誇りに思っ ていた。家の中でいつもハキハキとしているしゃんとした母親を見るのが好きだった。 その母親は今、過労のせいで床に伏している。 その必要はないのに、母親は家の中を切り盛りしていた。そのときの母親の生き生き とした様というのは何とも言えず幸せそうで、誰も倒れるまで止められなかった。 父親は、何も言わなかった。 顔も、見せなかった。 母親が倒れると、父親は今までちらちらと影だけ見せていた汚い様子が、一気にあふ れ出るようになった。 彼は怒りを覚え、それ以来口をきいていない。 窓越しに、ドアをノックする音が聞こえる。 「坊ちゃん、お食事が出来ましたが…」 「…部屋に置いといてくれ」 あんな男のいる場所で、食べたくないと言わんばかりの口調で彼は言う。 カタンコトンと運ばれるときの音がし、続けてガシャンとドアの閉まる音がする。 彼は、バルコニーから部屋の内側へとゆっくり歩き出した。 靴の音が暗い、静かな部屋に響く。 無機質というか、その場所そのものに染みついた匂いのしないこの部屋は好きではな かったが、それでも彼にとっての居場所は此処しかないのだ。 もう一度、星が流れた。 燃えるような、赤だった。 最初に比べ短いです。 ヒイロは家族設定が一番悩みましたが、普通の家庭じゃああはならないかととりあえ ず思いっきり歪んで頂きました。(最低) 心なしかリ○ンを思い出さずにはいられませんが、彼はお父さん実は好きなのでこれ でいいか。 伏線はるのは難しいね。