こぼれた涙を誰がすくうか


 こうやって、溢れ続けるものを誰がすくうものかとルークは思う。
 涙も感情も。
 結局はこれは自分が溢れ出させてこぼれさせたものだから、自分で落とし前をつけな
くてはならないのだ。頭ではそう理解しているのに、心とはかくも弱い。
 すくってほしい、なんて考えているのだ。身勝手だとはちゃんと知っている。それが
現実になってはいけないことも。

 それなのにこぼれて溢れて、止まるところを知らない。この感情の波も涙も自分で飲
み干せたらいいのに、と漠然と思って唇を噛む。
 そうだったらどんなに楽か。現実は優しくなくて、飲み干すどころか整理することさ
え許されない。七年しか生きていないルークには、あまりに荷が重すぎた。感情の整理
も他人を護ることも。

 護ってはいる。犠牲の上に成り立って。何も失わず全て護れたらどんなにかいいか。
 失うものは相手だったり他人だったりルークの心の一部だったり。大切なものほど抱
きかかえようとすると、溢れる。そしてこぼれる。必死にルークはそれを逃がすまいと
する。そうすると抱きかかえたものでないものが失われる。
 そのたびに見えない涙と感情が溢れてこぼれる。飲み干せないのに。
 だからルークはそれに溺れた。

 瞬間、ルークを溺れさせていたものはどこかに流れる。一番近く、けれど世界の反対
側のような、そんな感覚がした。
 そのなかに漂っていたルークは何故だろうかと意識を広げた。意識を張り巡らせてそ
れが何処に行ったのか考えても、わからない。でも、これで少しは呼吸が楽になった、
とルークはほっと息を吐いた。どこか安心感と愛しさがルークを襲うから、きっといい
ことなんだろうと目を閉じる。

 そのとき、目尻に溜まった涙は、きらきら光って消えた。


 





 これでアシュルクって言ったら殴られますか。殴られますね。
 そんな優しさ〜の対を目指しましたがなんかおかしいですね。
 気にしないでくれると嬉しいです私の脳味噌なんてこんなもん。
 どうでもいいですが短いですね。
 さらにどうでもいいことを言うと、すくうは「救う」と「掬う」と「巣くう」をかけ
ています。こういうのすきですね私。