Sugar and spice And aii that's nice
「…バチカルの、まちだ」
目前にある要塞のような懐かしいまち、(とは言っても、ルークがこのまちをこうや
って見れるようになったのは、ほんの少し前のことだ。今までは、中にいることしかで
きなかったから)
「…皆、お前のことを待っているんだ」
ガイの大きな手のひらが、ルークの髪の毛をかき回した。長くなった髪の柔らかい感
触が手袋越しではあるけれど感じられ、ガイは嬉しくなった。
「ほん、とう…かよ?」
不安そうな瞳で、ルークはガイを見上げた。簡単には信じられないらしい。
「本当だよ。…もし、皆が待っていなくても、俺は、ずっと待っていたよ」
何だか泣き出しそうな表情と声色で、ガイは告げた。そんなガイの様子を見て、ルー
クは俯き、ガイの腰に腕を回した。もっともっと、小さい頃にやったみたいに。ガイは
それに動揺したようだったが、すぐに笑ってルークの頭を片手で撫で、片腕を背中に回
した。
「…ありがとな」
ルークのお礼がプラスされることで、またしてもティアがこっそり持っていそうな本
のワンシーンみたいに仕上がるが、そんな空気は一瞬でぶちこわされた。黄色いぬいぐ
るみの拳が、ガイの頬にのめり込んだのだ。何だか鈍くて、教育上よろしくない音が響
く。
「…私も、ずっと待っているつもりでいたのよ?」
しっかりと、ルークの手のひらを握るのはティア。キラキラとした素敵な照明効果を
飛ばしている。
「もう、アニスちゃんも忘れないでようっ!」
「私も…二人が帰ってきてくれて、本当に嬉しいですわ」
「まあ、私も…嬉しいですよ」
それぞれ、自分も自分もとアピールする。瞳は大変素直に感情を映していた。
「みんな…。俺、待ってて貰えて、うれし…」
言い終わらないうちに、ルークの体はかくんと揺れた。巨大化していたトクナガの体
に、もたれ掛かる。
「ルーク!?」
アニスが心配そうに名前を呼ぶが、緊迫した表情はすぐにへにゃりとした、気の抜け
たものに変わった。
「…寝てるよ」
こどもは、穏やかに寝息を立てていた。
Sugar and spice And aii that's nice......
何事もほどほどがいいということで、にょたも久々だと超楽しいです。
久々だと歪んでいない仲良しも超楽しいです。
ティアの本棚には小難しい本とか楽譜に混じって少女漫画とか少女向けロマンス文学があると信じています。