その実を食べたら呼吸は出来ない 昔々、ちいさなこどもがいました。こどもは箱庭の中で暮らしていました。 お外には出して貰えませんでしたが、箱庭はとても居心地が良く、綺麗な場ところで した。こどもは生まれたときからずっとそこにいたので、外の存在なんて知りませんで した。なのでこどもは幸せでした。 けれど、ある日現れた大きな蛇が、こどもに外の話をしました。蛇は危ない生き物で したが、こどもは蛇の存在を知らなかったので近づきました。 初めて聞く話ばかりで、こどもはそのとき初めて外に出たくなりました。だって、蛇 の話す外の世界は、箱庭よりもキラキラしていて、すごく楽しそうに思えたからです。 それ以来こどもは蛇によく懐き、外への憧れを強くしていきました。 ある日、蛇を退治しにきた狩人によって、こどもは外に出られたのです。 こどもは願っていた外に出られましたが、外には分からないことだらけで、知らない 人ばかりでこどもにはどうしていいか分からないことばかりでした。 こどもは初めて、怖いと思いました。あんなに憧れていた外なのに、それを怖いと思 いました。 ある日もう一度、蛇に会いました。相変わらず蛇は、こどもにたくさんのお話をして くれました。そしてやっぱりこどもは蛇が一番好きだと思いました。 狩人もみんなも、悪い人ではないのですが、こどもになにも教えてはくれなかったの です。それがこどもには悲しかったので、こどもは仲間はずれにされていると思ってい ました。こどもには、居場所がない気がしていたので、蛇が一番好きだったのです。 それに、こどもによくにた子供がいて、それが子供には怖かったのです。泣き出すく らい、吐き出すくらい怖くても、誰も何も言ってくれませんでした。 けれど蛇はいつも優しい言葉をこどもにくれたので、やっぱり蛇が好きだったのです。 ある日蛇が、金色の林檎があるのだとこどもに話をしました。 こどもはそれを聞いて、「見てみたいなあ」と言いました。こどもの知っている林檎 は赤かったので、金色の林檎が見てみたかったのです。すると蛇は笑って、「見せてあ げるけど、二人だけの秘密だよ」と笑いました。 「秘密」というのが、こどもには嬉しかったのです。なんだか、二人だけのものが出 来て、幸せだったのです。 蛇とその約束をして、その場所に向かうと、蛇は約束通り金色の林檎を見せてくれま したが、行くまでに狩人達にたくさん怒られました。金色の林檎がある場所は、とって もこわいところでした。狩人達はそうは思わないみたいでしたが、こどもにはどうして も怖くしか見えませんでした。また、知らないことばかりだったのです。 「怖い」と言ったら、こどもは狩人達にたくさん怒られました。でも、怖いんだとこ どもは悲しくなりました。 蛇が見せてくれた金色の林檎はとても綺麗で、こどもはびっくりしました。でもあん まり綺麗なので、こどもは少し怖くなりました。 蛇は、こどもに「林檎を食べなさい」と言いました。こどもはやっぱり怖かったので すが、こどもによくにた子供の声がしました。こどもは子供が嫌いでした。 子供はとてもしっかりした子だったのです。子供は「食べるな」と言いました。 そう言われた瞬間、こどもが何だかむしゃくしゃして、蛇から林檎を受け取りました。 そして、こどもは金色の林檎を口にしました。 口にしたら、こどもは知ってはいけないことをたくさん知ってしまいました。 こどもは、こどもではなくなってしまいました。 こどもは、殺されてしまいました。 蛇は、こどもが嫌いだったのです。 こどもは怖くなりました。 こどもが金色の林檎を食べた所為で、たくさんの人が死んでしまったのです。 金色の林檎は、林檎がある場所の宝でした。 それが無くなってしまったから、場所は壊れてしまったのです。 こどもはとっても怖くなりました。 こどもはこどもではないと言われたのです。 狩人達はとても怒りました。 こどもが悪いと言いました。 でもこどもは蛇の言うとおりにしただけなので、どうしたらいいか分かりません。 こどもは「蛇が食べてって言ったんだ」と言いました。 そうすると余計に狩人達は怒りました。 こどもは、子供の代わりだったのです。 こどもはそのときから、こどもではなくなりました。 変わりたいと、おとなになろうとしました。 けれどその瞬間、こどもは確かに死んでしまったのです。 おとなになるとき、こどもはこどもを殺しました。 こどもは、こどもが許せなかったのです。嫌いだったのです。 こどもは、そのせいで呼吸が出来なくなったのです。 金色の林檎のおかげで、こどもはおとなになりましたが、こどもは死んでしまいました。 (無知を罪だというけれど、知恵というものは何て愚かだろうか!!) (こどもはこどもを、知恵がついたことによって殺したんだから!) (生まれて五年もたたないこどもの方が、どんなに偉い学者よりもずっと大事なこと を知っている) (こどもは当たり前に人を殺しちゃいけないと知っている、でもおとなは仕方ないと 割り切って人を殺す。嗚呼、なんと愚かなことか!!) (知恵なんてものを身につけなければ、あの悲しいこどもは生まれずにすんだのに!) (悲しい子供も、生まれなくてすんだのに!) (にんげんとは、知恵とは、どこまで愚かだろうか!!) 誰かの叫びは、誰にも届くこともなく、誰かの中だけで消えていった。 意味不明な話ですいません。 でも書くのは凄く楽しかったです。 とりあえずこどもは長髪ルーク、箱庭はバチカル、蛇はヴァン、狩人はティア、子供 はアッシュ、おとなは短髪ルーク。 それでちょっとこれがごちゃごちゃなのですが、金色の林檎を見せるという約束はダ アトにいくという約束。金色の林檎自体はセフィロト。 金色の林檎を食べると、アグゼリュス崩落、レプリカだということを知らされる。 そしてこどもがこどもを殺すのは、断髪。最後の叫びは、誰でも良いのです。 ちょっとあだむという゛の話を思って書いてみました。…後書きを書いているとき椅 子から転落しました。あだむという゛から怒られている? こんなのばかり書いていると人間嫌いに思われそうですがそんなことは全然無いので あしからず。