ただ、それを聞かせて欲しい 「選ぶ」という行為は絶対だ。それ以外のものを捨てることでもある。 それをよく知っていた。 だからこそ、彼が選んだのは。 「おい、ちゃんと進んでいる…」 皆が複雑な胸中の中、それをもたらした人は現れた。一人っきりで。最初の視線はピ オニーを向いていたが、そこにいた見覚えのある人物達を一瞥する。それもすぐに離さ れてしまったけれど。 「ルーク…!」 「こっちは、お前らにそれなりもんをやるんだ。条件はちゃんと呑むんだろうな?」 声を、無視した。ルークのすぐ前まで跳んでいった言葉は、ルークの目の前ではじき 返されてしまったのだ。まるで、壁があるみたいに。 「ああ…信用してもらって、構わない」 「ならいい」 軽く鼻を鳴らして、ルークは言った。言葉こそ肯定するものだったけれど、ルークの 瞳だったり雰囲気だったりは明らかにピオニーを威嚇し、脅迫していた。ここで少しで も変なそぶりを見つけたら、ルークはピオニーを殺してしまうかもしれない。それがピ オニーにも分かっていたから、咽の辺りがカラカラと乾いた。 「…逃げても、俺らはお前を責めない」 用件だけ言ってさっさと去っていこうとする背中に、ピオニーは言った。それは大きな 声ではなかったけれど、どうやらしっかりと聞こえたらしい。ルークの肩がほんの少し だけ揺れた。 「誰が」 優しさかどうか分からない優しさを、ルークは嘲って踏みつぶした。 「待て!!」 今度はアッシュが、ルークの背中に向かって叫んだ。けれど、今度は反応なんて返っ てこない。やはり、壁が邪魔をした。 彼が、選んだのは。 その、明確な答えが欲しかった。 短い…! ですが、きりが良いので。 何だか初めてのピオルク? (といっていいのでしょうか) 黒ルクは初めてだらけなので怖くもありますが、楽しいです。