なかよし計画 ルークとアッシュが奇跡の生還を果たして二ヶ月が過ぎた。 今日は仲間を呼んでの食事会だったりする。(アッシュは公務のため欠席だが) 「ルーク、ご飯粒ついてるわ」 「あ、わりい」 ティアに言われ、ルークは口元を拭う。それは時間がたったはずなのに、まさにこど ものようで。 「ティアったらお母さんだね〜」 「ですね〜」 あらまあほほえましい、とわざとらしい口調で言うのはアニスとジェイドだ。 「じゃあ、おとーさんは誰ですの?」 ミュウは小さく首をかしげて言う。が、そのあと頭の重さに耐えきれずバランスが崩 れた。 「…実質的な父親はファブレ侯爵ですが、育ての親はガイですし、作ったのはヴァンで すね。フォミクリーの技術を開発したのは私ですが…」 「すごいですの! ご主人様おとーさんがいっぱいですの!!」 「…いっぱいいてどうしろっつーんだ…」 「まあ、一人もいないよりは、何人もいた方が良いんじゃないか?」 苦笑しながらお父さん候補その二のガイは告げる。 確かにそれは事実かも知れないが、ルークとしては素直に喜べない。 「あ、でも実質ルークを作ったのはサフィールですから、サフィールでもいいんじゃな いですか?」 あんなはなたれでもいいのなら、とジェイドは言う。 「あんまりな言い方ではなくって?」 「そんなことありませんよvはな垂れなのは事実ですv」 ナタリアとジェイドが話している間、ルークのなかでぴんと何かが光った。 「ディスト…が…」 次の日まだ朝露も残る頃、ルークはひとりで雑貨屋に向かった。珍しく早く起きたせ いか、瞼はまだ重いけど、朝早くの外の空気は断然気持ちが良い。 目当ての雑貨屋のドアを開けると、ベルが耳に心地よい音を立てる。 キョロキョロとせわしなく雑貨屋を見渡す。奥の棚を見たとき、色取り取りのノート が並んでいた。どっしりした、高級感溢れるものから、アニスぐらいの年頃の女の子が 好みそうなカラフルなものまで色々だ。 「どれがいいんだろうなあ…」 とりあえず、と一冊のノートを手に取ったとき、奥に桃―むしろ薔薇に近い―色のノ ートが、その下に隠れていた。四隅には美しいが清楚な薔薇の模様がついている。 「…これだよな!!」 嬉々として店員の方へ向かう。ルークの足取りは軽い。 ファブレ家の屋敷に戻った後、ルークは自身の部屋にいた。ルークは帰ってきてから はアッシュに自分の部屋を渡し、自分はというと以前ガイとペールの使っていた部屋で 生活している。 ルークはガイやペールのいる部屋が好きだった。父や母達には使用人の部屋に住むな んて、と言われたが気にしていない。よくこっそりと抜け出して遊びに来ていたこの部 屋には思い出が山ほど染みついていたし、何より落ち着く。 新しい使用人が暮らしていなくて良かったと思う。彼の幼い頃のままである部屋に心 底ほっとした。 部屋に来る途中会ったメイドから、フェルトとボタンをもらった。当然、父や母、そ れにアッシュには内緒で。 棚には恐らくペールが忘れていったのだろう、裁縫道具が入っていたから、それを取 り出す。使い込まれたそれは、少し古びてはいたが針はさびてなどいなかったし、色取 り取りの刺繍糸等が入っている。 手袋をはずすと、ペンシルを手に取り一生懸命にフェルトに書く。それが終わると鋏 を取り出し、不器用な手つきでフェルトを切り始めた。 一通り切り終わると、おそるおそるといった様子で針を取る。フェルトを縫うときに 何度も何度も針が指に刺さるが、その痛みを堪える。 二時間と少したったあと出来たそれを満足そうに見ると、ルークはノートの真ん中に それを接着剤で固定した。 そして勢いのままにペンを取り、フォニック文字で字を書く。 さあ、後は渡すだけ。 そんなこんななディスルク。 かなりの萌えカプだと思います。キュンキュンする。