小さな違和感があったのだと思う。
 一つ一つに、一つ、一つに。

 触れてくる手とか、向けられる言葉とか、そういう、何気ない一つ一つに。

 無意識に、心臓が潰されそうになっていた。

(俺は幸せだ)
 頭に浮かんだその台詞は、ルークの内から出されたものだ。陳腐極まりない台詞を、そのままルークは形の良い唇に載せる。
「おれはしあわせだ」

 不格好だった。それは本心で、いくら陳腐であろうともルークが思ったものであるというのに。唇に出してしまうとその言葉と自分の声色の温度差に愕然とした。思わず、放り出していた指先が震える。何となく怖くて、暗い部屋を見渡した。
 右側のベッドにはガイが、左側のベッドにはジェイドが横たわっている。それぞれが違うリズムで規則的に寝息を立てていた。ルークの言葉は二人の耳に入って、起こす要因にはならなかったらしい。

「おれは、しあわせだ」

 もう一度、ゆっくりと言う。相変わらずの温度差だ。

 言い聞かせるような口調になったのは何故なんだろうか。






 というわけではじまっちゃいました。「さようなら、世界と僕」。
 素敵な蜥蜴さまのリクエストに少しでも沿うように頑張りたいです!

…更新遅すぎてすいませんでした。(平謝り)